遠方に住む人が、実家を空き家にしたとき最初に決める3つのこと
相談を受けていていちばん多いのが、「売るか貸すかで悩んでいます」という入り方です。ところがその判断は、たいてい今の段階ではできません。順番が2つ手前から抜けているからです。
1. 名義が今どうなっているかを確定させる
「実家」と呼んでいる家の名義が、実は亡くなった親のままだった、というのはよくあります。祖父母の代のまま、ということも珍しくありません。
名義が本人でなければ、売ることも貸すこともできません。相続人が複数いれば、その全員の話になります。人数が多いほど、時間が経つほど、まとまりにくくなります。
ここは推測で進めないでください。法務局で登記事項証明書を取れば、今の名義は確定します。遠方でもオンラインで請求できます。すべての判断はここから始まります。
相続登記の期限や手続きの要件は制度改正で変わります。必ず法務局または司法書士に、現時点の要件を直接確認してください。
2. 建物が「まだ選べる状態」かを見る
次に、その家が今どの段階にあるかです。判断は3つに分かれます。
| 状態 | 取りうる選択肢 |
|---|---|
| 手を入れれば住める | 売る・貸す・持ち続ける、すべて残っている |
| 傷みが進んでいる | 売却が中心。貸すには相応の費用がかかる |
| 建物として使えない | 土地としての話に切り替わる |
厄介なのは、多くの人が自分の実家を1段階よく見積もることです。記憶の中の家と、今の家は違います。前回入ったのがいつだったかを思い出してみてください。
そして、この状態は放っておけば下の段へ移っていきます。1年放置すると何が起きるかに書いたとおりです。判断を保留している時間そのものが、選択肢を減らします。
3. 「いつまでに決めるか」を先に決める
3つめが、いちばん抜けやすい。売るか貸すかを決める前に、いつまでに決めるかを決めることです。
空き家の判断が長引く理由は、情報が足りないからではありません。決める理由がないからです。誰も急かさないので、5年、10年と過ぎていきます。その間に名義はさらに複雑になり、建物は下の段へ移ります。
「1年後の盆までに方向を決める」でかまいません。期限があれば、その間に何を確認すべきかが逆算できます。
順番をまとめます
- 名義を確定する — 法務局で登記を確認する。ここが未確定なら他は進まない
- 建物の今の状態を見る — 記憶ではなく、現状を確認する
- 期限を決める — 決める日を決める
- そのうえで、売る・貸す・持ち続けるを検討する
- 決まるまでの間は、選択肢を減らさないよう最低限の管理をしておく
5番目については管理を人に頼むと何をしてもらえるのかにまとめました。