空き家の管理を人に頼むと、具体的に何をしてもらえるのか
「月1回の見回り」と書いてあっても、中身は依頼先によってまるで違います。外から見て写真を撮るだけのものから、室内に入って通水まで行うものまで、同じ名前で呼ばれています。契約前に何を確認すべきかを整理します。
「見回り」には大きく2種類あります
外から見るだけのもの
敷地の外や庭先から建物の外観を確認し、写真を撮って報告する形です。郵便物の回収が付くこともあります。鍵を預ける必要がないぶん頼みやすく、費用も抑えられます。
ただし、前の記事に書いた傷みの多くは室内で進みます。外から見るだけでは、湿気も封水切れも分かりません。「異常なし」の報告が続いていても、中は進んでいることがあります。
室内に入るもの
鍵を預かって中に入り、窓を開けて風を通し、各所の排水口に水を流し、室内の状態を確認します。ここまでやって初めて、前の記事で挙げた劣化の大半を止められます。
そのかわり鍵を預けることになるので、誰に頼むかの判断が重くなります。
確認すべきなのは「作業の中身」です
料金の比較より先に、次の項目が含まれるかどうかを確認してください。同じ料金でも中身が違えば意味がありません。
| 確認項目 | なぜ重要か |
|---|---|
| 室内に入るか | 入らない契約では、湿気・封水・室内の異変は分からない |
| 通風・換気の有無 | 湿気対策の中心。何分開けるかまで決まっているか |
| 通水の有無と範囲 | 2階トイレなど見落とされやすい箇所まで含むか |
| 報告の形式と頻度 | 写真付きか、文章だけか。遠方の所有者にはここが判断材料になる |
| 草刈り・庭木の扱い | 基本料金に含まれることは少ない。別料金か、対象外か |
| 緊急時の対応 | 台風の後や近隣から連絡が来たとき、誰がどう動くか |
| 鍵の管理方法 | 誰が、どこで、どう保管するか |
草刈りは、たいてい別枠です
見回りの料金に草刈りが含まれていることは、あまりありません。草は季節によって伸び方がまったく違い、面積にも左右されるためです。
そして、遠方の所有者にとって近隣との関係にいちばん影響するのは、実は建物より草木の方です。管理を頼むなら、ここをどう扱うかは最初に決めておいた方がいいところです。
頼む前に、自分の目的をはっきりさせる
同じ「管理」でも、目的が違えば必要なものが変わります。
- 売るまでのつなぎ — 傷ませないことが目的。室内に入る契約が向いています
- 近隣への迷惑を防ぎたい — 草木と外構が中心。外からの管理でも成立します
- いつか自分が戻るかもしれない — 住める状態を保つ必要があり、いちばん手間がかかります
この目的が決まっていないと、どの見積もりが妥当なのか判断できません。遠方に住む人が最初に決める3つのことに、その決め方を書きました。
費用の相場は地域差と建物の条件で大きく変わります。この記事では金額を挙げていません。複数の依頼先から、上の表の項目を揃えた形で見積もりを取り、中身を並べて比べてください。